会場:ビルトモア・ホテル
司会:ローレンス・グラント
1931年11月10日、ロサンゼルスのビルトモア・ホテル。第4回アカデミー賞授賞式は、映画界がサイレントからトーキーへと変革を遂げる中、新時代の到来を告げる夜となった。
作品賞は、ウェズリー・ラッグルズ監督の『シマロン』が受賞。オクラホマ開拓時代を舞台に、開拓民たちの苦難と希望を壮大なスケールで描き出した本作は、西部劇というジャンルに新たな地平を切り開いた。
監督賞は、『スキピイ』で少年たちの友情と成長を繊細かつユーモラスに描き出したノーマン・タウログ監督が受賞。主演男優賞は、『自由の魂』で円熟味あふれる演技を披露したライオネル・バリモアが獲得し、名優としての地位を揺るぎないものとした。主演女優賞は、『シマロン』で母親役を演じたマリー・ドレスラーが受賞。持ち前のコメディエンヌとしての魅力を遺憾なく発揮し、ハリウッドで最も愛される女優のひとりとなった。
脚色賞は『シマロン』のハワード・エスタブルック、撮影賞はドキュメンタリー映画『タブウ』のフロイド・クロスビー、美術賞は同じく『シマロン』のマックス・リーがそれぞれ受賞。録音賞はパラマウント撮影所サウンド部が受賞した。
第4回アカデミー賞は、サイレント映画からトーキー映画への移行という映画界の大きな転換点に行われた。この変化は、映画製作技術のみならず、俳優の演技スタイルや物語の表現方法にも大きな影響を与え、受賞作品にも色濃く反映されている。
例えば、『シマロン』は、壮大なスケールと迫力ある音響効果を駆使した、トーキー映画ならではの表現が高く評価された。また、サイレント映画時代から活躍していたライオネル・バリモアは、トーキー映画への見事な適応を見せ、その演技力で観客を魅了したのだ。
受賞作品・受賞者は、映画史にその名を刻む名作・名優ばかりであり、彼らの功績は今もなお多くの映画ファンに愛され、語り継がれている。まさに、映画が新たな時代へと踏み出した瞬間を捉えた貴重な記録と言えるだろう。
作品賞
◎『シマロン』
『女性に捧ぐ』
『犯罪都市』
『スキピイ』
『トレイダ・ホーン』
監督賞
◎ノーマン・タウログ –『スキピイ』
クラレンス・ブラウン –『自由の魂』
ルイス・マイルストン –『犯罪都市』
ウェズリー・ラッグルス –『シマロン』
ジョセフ・フォン・スタンバーグ –『モロッコ』
主演男優賞
◎ライオネル・バリモア –『自由の魂』
ジャッキー・クーパー –『スキピイ』
リチャード・ディックス –『シマロン』
フレドリック・マーチ –『名門芸術』
アドルフ・マンジュー –『犯罪都市』
主演女優賞
◎マリー・ドレスラー –『惨劇の波止場』
マレーネ・ディートリヒ –『モロッコ』
アイリーン・ダン –『シマロン』
アン・ハーディング – 『Holiday』
ノーマ・シアラー –『自由の魂』
原案賞
◎ジョン・モンク・サウンダース –『暁の偵察』
ハリー・ダバディ・ダラー、ダグラス・ドティ、ドナルド・オグデン・スチュワート –『踊子夫人』
ジョン・ブライト、キューベック・グラスマン –『民衆の敵』
ローランド・ブラウン –『地獄の一丁目』
ルシアン・ハバード、ジョセフ・ジャックソン –『夜の大統領』
脚色賞
◎ハワード・エスタブルック –『シマロン』
フランシス・エドワード・ファラゴー、ロバート・N・リー –『犯罪王リコ』
ホレイス・ジャクソン –『Holiday』
サム・ミンツ、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ –『スキピイ』
シートン・I・ミラー、フレッド・ニブロ・Jr –『光に叛く者』
録音賞
◎パラマウント撮影所サウンド部
MGMサウンド部
RKOサウンド部
サミュエル・ゴールドウィン・サウンド部
美術監督賞
◎マックス・リー –『シマロン』
リチャード・デイ –『フーピー』
ハンス・ドライヤー –『モロッコ』
ステファン・グーソン、ラルフ・ハメラス –『五十年後の世界』
アントン・グロット –『悪魔スヴェンガリ』
撮影賞
◎フロイド・クロスビー –『タブウ』
エドワード・クロンジャガー –『シマロン』
リー・ガームス –『モロッコ』
チャールズ・ラング –『愛する権利』
バーニー・マッギル –『悪魔スヴェンガリ』