第2回アカデミー賞(1930年)

会場:アンバサダーホテル
司会:ウィリアム・C・デミル

1930年4月3日、ロサンゼルスのアンバサダーホテルで華やかに開催された第2回アカデミー賞授賞式は、映画産業の活況とトーキー映画の普及を背景に、映画芸術のさらなる発展を祝福し、優れた作品と才能を称える一夜となった。映画界の新たな時代の幕開けを告げる祝祭として、前年に続き、大きな注目を集めた。

第2回では部門構成が整理され、芸術作品賞やコメディ監督賞が廃止される一方、トーキー映画の台頭を反映し録音賞が新設された。作品賞はミュージカル映画『ブロードウェイ・メロディー』が受賞し、監督賞は『情炎の美姫』のフランク・ロイドの手に渡った。主演男優賞は『懐しのアリゾナ』のワーナー・バクスター、主演女優賞はサイレント映画時代からの大女優メアリー・ピックフォードが『コケット』で受賞した。脚本賞、撮影賞、美術監督賞もそれぞれ『情炎の美姫』、『白い影』、『王様万歳』に贈られ、新設の録音賞は『ビッグ・ハウス』のダグラス・シアラーが受賞した。これらの受賞は、トーキー映画の到来とともに進化する映画表現の可能性を示し、映画芸術の新たな地平を切り開いたと言えるだろう。

第2回アカデミー賞は、トーキー映画の台頭とハリウッドの隆盛を象徴する出来事であり、映画産業がさらなる発展を遂げ、世界中の観客を魅了するエンターテイメントへと成長していく礎を築いた。この日の華やかな夜は、映画史に深く刻まれ、その後の映画界の発展に大きな影響を与え続けることだろう。

作品賞

◎『ブロードウェイ・メロディー』
『アリバイ』
『懐しのアリゾナ』
『ハリウッド・レヴィユー』
『The Patriot』

監督賞

◎ライオネル・バリモア –『マダムX』
ハリー・ボーモント –『ブロードウェイ・メロディー』
アーヴィング・カミングス –『懐しのアリゾナ』
フランク・ロイド –『愛の曳網』『ウィアリー・リヴァー』
エルンスト・ルビッチ –『The Patriot』

主演男優賞

◎ワーナー・バクスター –『懐しのアリゾナ』
ジョージ・バンクロフト –『サンダーボルト』
チェスター・モリス –『アリバイ』
ポール・ムニ –『The Valiant』
ルイス・ストーン –『The Patriot』

主演女優賞

◎ルース・チャタートン –『マダムX』
ベティ・カンプソン –『煩悩』
ジーン・イーグルス –『手紙』
ベッシー・ラヴ –『ブロードウェイ・メロディー』

脚本賞

◎ハンス・クレイリー –『The Patriot』
トム・バリー –『懐しのアリゾナ』『The Valiant』
エリオット・クローソン –『The Cop』『脱走兵物語』『Sal of Singapore』『Skyscraper』
ハンス・クレイリー –『The Last of Mrs.Cheyney』
ジョセフィン・ラヴェット –『踊る娘達』
ベス・メレディス –『恋多き女』『Wonder of Women』

撮影賞

◎クライド・デ・ヴィンナ –『White Shadows in the South Seas』
ジョージ・バーンズ –『踊る娘達』
アーサー・エディソン –『懐しのアリゾナ』
アーネスト・パーマー –『四人の悪魔』『街の天使』
ジョン・F・サイツ –『情炎の美姫』

美術監督賞

◎セドリック・ギボンズ –『The Bridge of San Luis Rey』
ハンス・ドライヤー –『The Patriot』
ミッチェル・ライゼン –『ダイナマイト』
ウィリアム・キャメロン・メンジース –『アリバイ』『鉄仮面』
ハリー・オリバー –『街の天使』

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